Wart
いぼ・ほくろ
いぼ
一般的に「いぼ」といわれているものには、老人性疣贅(脂漏性角化症)や軟性線維腫(アクロコルドン、スキンタッグ)、尋常性疣贅(ウイルス性イボ)があります。どれも市販薬や自然治癒は望めませんので、医療機関を受診することをおすすめします。
「脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)」は、老人性疣贅(ゆうぜい)とも呼ばれるイボの一種です。30代頃から出現し、日光が当たりやすい顔や頭、デコルテなどを中心によく見られますが、日光の当たらない部位にも現れます。一般的な「しみ」の一種である「老人性色素斑(日光色素斑)」から徐々に時間をかけて脂漏性角化症を発症することがあります。紫外線などの刺激や、老化の過程で誰にでも発症する良性腫瘍ですので、早い段階で「しみ」の治療をすることで対策するとよいでしょう。
首からデコルテ、ワキ等にできる小さく隆起した「軟性線維腫」と呼ばれる皮膚の良性腫瘍は、アクロコルドン、スキンタッグと呼ばれています。洋服やアクセサリーなどによる物理的な擦れや、体質が原因ではないかといわれています。
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染により生じるといわれています。感染は接触感染により、皮膚の小さなキズからHPVが体内に侵入し感染を生じます。HPVに感染した角化細胞は、その部分の表皮が肥厚してイボになります。プールサイドや公衆浴場の脱衣所など、共用部で傷口から感染するケースが多く見られます。足ふきマットやタオルを共有するなど、日常のささいなところから感染する可能性があります。
「老人性疣贅」と「軟性線維腫」は、害があるものではありませんが自然治癒することはありません。「尋常性疣贅」は、時間がたつといぼが拡がってしまうことがあります。また、市販薬を使用して悪化してしまうこともありますので、早期に医療機関を受診することが大切です。
ほくろ
ほくろは医学用語では黒子といい、色素性母斑(母斑細胞性母斑)の一種です。小さくて平坦なものから、大きくて盛り上がっているものまで、様々な形のものがあります。この黒子を形成する母斑細胞は増殖・再生する能力があるので、他のしみやアザと異なり、原則として色素のある部分を完全に取り去ってしまわなければなりません。
おすすめの治療法
「いぼ・ほくろ」の皮膚科での保険診療は、液体窒素による冷凍凝固による治療がよく行われますが、なかなか一度では良くなりません。
自由診療となりますが、傷跡が残りにくく非常にきれいな仕上がりになるため、アキュパルス(炭酸ガスレーザー)での治療がおすすめです。狙った箇所に高エネルギーでピンポイント照射できるため、治療時間が短く、皮膚の損傷を最小限に治療できます。
「ほくろ」の場合は、大きさが直径5ミリ以上の大きさの場合には、部位や形状によって手術的に切除して縫合する方法になります。メスを用いて切除し縫合した方が整容性に優れると判断される場合や病理組織学的検索が必要と判断される場合には、保険診療となります。※炭酸ガスレーザーを用いる場合、健康保険を適用することはできません。
実際の治療
1. 局所麻酔あるいはペンレステープを使用します。表面麻酔をした後、炭酸ガスレーザーで蒸散します。
2.「ほくろ」の場合は、大きさが5㎜以上で盛り上がっている場合は、ピンセットでつまんで切り取るように切除します。
3.「ほくろ」や「いぼ」の大きさが5㎜以下の場合や平坦なタイプの場合は、下の図のように垂直に打ち抜きます。
いぼ・ほくろ(炭酸ガスレーザー)施術の流れ
Step1
医師によるカウンセリングを受けて、治療の適応、効果、合併症など十分な説明を受けながら相談していただき、同意書を取得します
Step2
実際の治療
①クレンジング・洗顔をしていただきます
②麻酔をする場合は、表面麻酔をしてから施術を行います
Step3
施術後ケアと注意事項
心配な点やご不明点があれば改めて伺いながらご説明いたします
いぼ・ほくろ(炭酸ガスレーザー)施術のリスク
手術名
いぼ・ほくろ
施術時間
15~30分
麻酔方法
表面麻酔
ダウンタイム
ほてりや熱感が生じます。4~6ヵ月で赤みが落ち着いてきます。※個人差があります
メイク
上皮化した状態(5~14日後)から可能
術後通院の目安
通院の必要はありません。気になることが生じた場合はすぐに受診ください。
リスク
内出血、毛嚢炎、紅斑、ほてり、炎症後色素沈着など